No.156 (戦後の西アジア@)  : 

「エジプト=イスラエル平和条約に始まる中東和平とはどのようなものか?」

1973年の第4次中東戦争の勝利により、77年にエジプトのサダト大統領は
67年の第3次中東戦争以来イスラエルの占領下にあったシナイ半島の返還
(82年)を実現したが、この平和条約締結によりエジプトはアラブ諸国や
PLOから断交され、81年にはサダトはイスラーム原理主義者に暗殺され
た。この条約の仲介役は米の民主党大統領カーターで、93年のパレスチナ
暫定自治協定(PLO議長アラファト−イスラエル首相ラビン間)での民
主党大統領クリントンによる仲介につながる。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

現在の中東情勢(その日の新聞の国際欄を示す)に、大きな関心を持って
学習に臨んでいる。


思考・判断:

中東和平の立役者がアラブ諸国ではエジプトの首相であったことと、仲介
者が合衆国の民主党の大統領であったことについて、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:

狂信的なイスラーム教徒が犯人のサダト暗殺と、狂信的なユダヤ教徒が犯人
のラビン暗殺のそれぞれの新聞記事を読むことにより、中東和平の宗教的な
難しさを実感している。

知識・理解:
現在暗礁に乗り上げた感の強い中東和平が、第4次中東戦争後のエジプトと
イスラエルの平和条約締結に始まり、その後、93年のPLOとイスラエルの
パレスチナ暫定自治協定によって大きく進展したものであることについて、
基本的な知識を身につけている。